2009年01月11日

たかちゃんの笑顔

 私が車椅子を初めて見たのは、小学生のとき。

 複式学級のたかちゃんが車椅子にのって入学してきたからだ。当時5年生だった私には、複式学級の意味もよく分かってなかった。
 
 たかちゃんは、ふつうの子どもができることの半分もできなかった。
でもいつも笑ってた。たかちゃんは校門まで車でおくってもらってた。
私の通っていた学校は、急な坂があった。車椅子では、結構な負担になる。坂の上まで、たかちゃんのお母さんかお父さんが車椅子を押していく。坂にさしかかると、子どもたちがわれもわれもとたかちゃんの車椅子を押したがった。たかちゃんの笑顔をみるのがみんな大好きだった。たかちゃんをみるとみんな笑顔になった。

 家庭環境が複雑だった私は、けっこう学校が嫌いで、暗い子どもだった。
ずる休みの常習犯だった。
でもなんとなく学校へ行く回数が増えた。
 学校へ行くと、たかちゃんの教室に入り浸った。
たかちゃんの教室には、トランポリンがあった。トランポリンのある教室なんて!
たかちゃんはトランポリンに乗るにも、車椅子からかかえてもらわなくてはならない。

 しかも、たかちゃんは“きんじす”とかいう病気で、筋肉が弱い。トランポリンにはただ座っているだけでやっとだった。
それでも、私も外の子どもたちも、休み時間のたびにたかちゃんに会いに行った。
 たかちゃんのくったくのない笑顔は、かけがえのないものだった。
なんでみんな、たかちゃんがだいすきだったんだろう。
よくわからない。

 今も車椅子をみると、たかちゃんを思い出す。
筋ジス=筋肉ジストロフィーがどんな病気か知ったのは、ずっと後のこと。たかちゃんは今・・・。

 
 私がもっとオトナで、“きんじす”がどんな病気か知っていたら、たかちゃんとの思い出はもっと違っていただろうか。

 たかちゃんの笑顔が輝いていていたから、なおさら。
苦い思いがこみ上げる。
ラベル:車椅子
posted by yuu at 00:00| Comment(0) | 思い出 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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